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開業までの流れ

 

①領収書を集める

なかなかこれについて言及してくれるコンサルタントはいませんし、そもそも開業しようとしてからコンサルタントに行き着くまでに結構な時間を要します。開業をしようと心に決めた瞬間から、領収書を集めることを開始します。開業すると決めて、先輩に相談する際に飲みに行ってかかった費用、土地を探しに行くため車で行って、駐車場に止めた際には駐車場の領収書、開業するために購入した書籍、HPを自作するなら、そのためのソフト代金、全て開業のために使った費用の領収書は貰っておきましょう。時期を決めるのも、開業場所を決めるのも、開業しようとした瞬間から開業に向かって費用を使っていますので、まずは領収書をしっかりと集めることから始めてください。そんな大した額にならない、そんなに細々したもの集めたってと思った人は正直あまり開業には向いていないかもしれません。経費にできるものはしっかりと経費にするということが必要です。開業初期は、そういう細かいところをしっかりと積み上げていくことで、安定した経営になると思います。


②開業時期の決定(or 開業地の調査)

開業時期をいつにするのか?それにともない、開業地をどこにするのか?を決める必要があります。ただ、もしどうしてもこの地区に開業したという場合は、まずは土地の調査から始める必要がある場合もあります。土地がなければ開業できませんので、どちらを優先するかで、最初のステップは変わります。
ただ、新潟の場合、医局との交渉がどの科でも必ずあると思いますので、どちらかというと、まずはいつ退局するかを決め、なんの法的も意味もありませんが、一応、医局の許可を取った方が安全だと思います。

 


③開業地の選定(or 開業時期の決定)

場所の選定においては、様々な要素があります。周辺人口数、人口構成、交通の便、周囲のクリニックの状況、幹線道路の有無、線路の有無、川の有無、その他、諸々のことを勘案して決定しなければなりません。あとは今後の人口の推移も重要です。実際、中央区の新潟島内では、すごいスピードで人口減少が起こっていますので、人口減少地域での開業は、伸びが期待できないということになります。クリニックが減る=チャンスではなく、クリニックが減る=人口も減っている=チャンスも少ないと捉えたられます。
一方、女池地区等の人口が多いところでは、当然ですが、競合も増え、実際、女池・上山・上所地区には多くのクリニックが新たにクリニックを作っています。それに伴い、地代も上がっています。定期借地で1坪あたりが高い、あるいは購入時の土地が高いということになります。ガチンコ勝負をして負けた際には、大きな痛手を負うこともあり得ます。


④事業計画の策定

業地が決まり、ある程度目処が立った時点で、事業計画を策定します。ここはコンサルタントによっても違いますが、通常、診療圏調査を行い、周辺人口・有病率・周辺のクリニック数・病院数から1日あたりどのくらいの患者数が予想されるかを計算し、そこにレセプト単価をかけたものから一ヶ月の売上を設定します。ただ、この診療圏調査から得られるものは、単純に言えば、周辺医療機関で病気の人を割った数の最大になるため、開業当初からその最大数に到達することはあり得ません。通常は1-2年程度して最大に達することを前提に事業計画を立てます。診療圏調査で数字が悪い場合、開業地の変更等も含めて検討が必要であったり、稀に他のDrが近くで開業することが決まってしまった場合などもあります。
また、土地の取得費用(or定期借地の費用)、建物建築の概算(orテナントとして入る場合の内装費用等)、購入予定の医療機器の総額、運転資金等々を大まかに決めます。ただ大体科によって平均がありますので、それを元にコンサルタントが少し多めに提案してくれます。そのほか、こだわりたい医療機器、絶対に導入したい医療機器があれば、それをプラスで落とし込んで、見積もりを出します。


 

⑤金融機関の選定と交渉

事業計画が出ないと、そもそも銀行は何も条件を出してくれませんので、事業計画がでて、そこから借入れ金額、借入期間を提示し、また売上予測も提示した上で、借り入れ金額の決定ならびに借入金利も決定します。自分が経験したところでは、借入期間が長すぎても金利は高くなるようですし、短すぎても高くなるようです。あとは総額が適度に大きいと金利は下がり、少なければ上がる傾向にあるようです。ただしこれは金融機関等でも違うかもしれません。あと、いくつかの銀行、信金等々で金利の見積もりを取ることも重要です。正直以前は第四銀行と北越銀行をメインにあとは信金等に出せば、だいたいどこが強いかがわかりましたが、第四銀行と北越銀行が合併したため、その2行で競わせられず、ちょっと借入の金利は高くなるかもしれません。ちなみに銀行の担当に聞いたら、「流石に、合併したら金利が上がりましたでは申し訳ないので、最大限頑張らせていただきます。ところで開業するDrがいるんですか?」って食いついては来ていましたので、、貸す気は十分にあるようです。ただ、金利等については、コンサルタントに一任していいかと思います。その方が楽ですし、個別交渉するにもデータを持ち合わせないDrが何を言っても仕方がありません。過去の金利データを持っているコンサルタントの方が確実ですし、銀行も案件を持ってくるコンサルタントに対しては嘘もつけませんし、高い金利を出して、次から交渉相手に選ばれなくなるリスクもあるので、そんなに変な金利は提案してこないことが多いので、コンサルタント任せでもいいかもしれません。どうしても金利に納得いかなければ、先輩開業医に聞いて、金利を聞くと教えてもらえると思うので、その辺りを参考にして、再度交渉してもらってもいいかもしれません。


 

⑥設計ならびに医療機器選定

設計ならびに医療機器の選定も必要になります。XPを入れる、CTを入れる、MRを入れる、これらの場合、建築について様々な条件が必要になります。CT,Xpであれば防護工事が必要にありますし、MRIであれば、シールド工事が必要になるため、これらをしっかりとできるところに依頼する必要があります。また、MRIなどでは、床の補強工事が必要になる場合もありますので、建築費用が割高になる可能性もあります。それらすべてをクリアできるように設計をしてもらう必要があります。ただ通常、コンサルタントは経験のある設計事務所に依頼することが多いので、そこが大きな問題にはならないと思いますが、ビルのテナントで開業をしたい場合では、これらの医療機器が導入できない可能性も否定はできません。
 

 
 


⑦建物施工期間

設計ができ建築確認が取れれば、あとは施工になります。通常、6ヶ月は必要だと思います。冬場や雪の多いところではもっと必要になることもあります。特に春開業の際には、新潟の場合、冬をまたぎますので、6ヶ月で十分かどうかは建築規模等にもよるかもしれません。コンサルタントとよく打ち合わせをして決める必要があります。Drで割と多いのは3月退職、5月連休前後で開業というDrが多く見られます。勤務医と開業準備を同時にするのはかなり大変ですので、スタッフの教育等も含め、3月退職、5月の連休前後で開業というのは理にかなっていると思います。。