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自分の理想に沿った開業をするには

戸建て開業

①新規開業
 ❶戸建て開業
 
これがもっともスタンダードな開業だと思います。ただこれであっても、実は土地を購入するか、それとも定期借地にするかという2択が存在します。よく「土地を購入したら資産になるから」といって購入されるDrもいます。たしかにその通りですが、土地の購入にはいくつか問題があります。
①減価償却ができない
②廃業後、クリニック等の医療機関の跡地を購入する人が実は多くはない
 
この2点が大きいと思います。
①の減価償却ができないという点において、例えば坪30万円の土地を300坪購入したことを想定します。合計で9000万円になります。単純に考えて20年で土地の支払いをした場合、年間450万円の支払いになります(利子は無視しますし、利子は経費で落とせます)。この450万円は資産の購入になりますので、税金を引かれた後のお金から支払いをします。通常、個人事業主から開始しますので(新潟は初年度から法人は難しいようです)、仮に初年度500万円の利益が出たと仮定します。個人事業主なので、普通に税金を支払いますが、支払った残りから450万円を支払ったことになります。そのため、手取りはほぼゼロかマイナスになります。これが続きます。
また途中で法人に切り替える際には、個人で購入した土地を法人に購入してもらう必要がありますが、その際、不動産にかかる税金が再びかかります(不動産取得税等々)。自分で一回購入した数年後に今度は同じような金額を法人が支払う必要が出てくる可能性もあります。ただこれは回避する手段もあるようですが、その後も個人事業主を継続する必要があったりと面倒臭さは残ります。

 

しかしメリットもあります。
すべて支払い終われば、土地代を毎月支払う必要はなくなります。そのため当初経費にならないことがデメリットだと思っていても、土地の支払いが終わってしまえば、月々の支払いがなくなり出費は減ります。また、将来クリニックを閉院する際に、希望の価格で売却できれば、その際に売買代金を得ることが可能になります。ただし、内科等で人が亡くなる可能性ある建物があった場所では土地が希望価格で売れない可能性はあります。病院跡地等もそうです。中央区にあった病院跡地は、閉院後相当の期間を経て住宅地として売られています。そのように売却してもすぐに使えない土地となると高値での売却は難しいかもしれません。
 
また、お金以外のメリットデメリットも存在します。
将来、自分の子供に継承させることが狙いなら、土地を購入しておくことは子供の支払い負担が減りますので、メリットがあるかもしれません。
一方で、自分が開業して20年後に子供が継承すると仮定して、クリニック周辺の人口の変化、患者層の変化に本当に理解し、対応できているのかどうか?そこも問題になります。そして子供はそこからさらに20年クリニックを経営しなければなりません。
今高齢化が進んでいる地域、東区の一部地区や西区青山・小針地区では、30-40年前は子供達が大勢いましたが、今は高齢者メインです。40年という歳月は周囲の人口構成も大きく変えてしまいます。子供が継承したけど、患者がいないという事態にならないように場所を決めなくてはなりませんが、40年後を正確に予測できるかは不明です。
 
一方、定期借地にする場合のメリットは全額経費にできるという点です。
 
仮に先ほど出した土地の価格を考えた場合、500万円の利益がでて、450万円は経費になるので残りの50万円が残る計算になります。税金を払った後に450万円支払うのと、500万円から450万円支払って残りから税金等を払う違いが生まれます。
 
デメリットは契約期間中は基本ずっと支払いが続くこと、仮に20年経過をして、さらに経営を続けたい場合は、再度契約をした上で、さらに支払いを続けるため、結果的に支払額が購入金額より大きくなってしまう可能性があります。